12.29.2013

Best Issue of 2013 (Nahoto)






 MOIN - EP (Blackest Ever Black)

昨年アルバムのリリースにより大きく話題となったRaimeの変名ユニットであるMoin。
Raimeのようなミニマムでダークというキーワードを残しつつも、蓋を空けてみればShipping NewsJune of 44といった90年代のルイヴィルシーンからHoover,The Crownhate Ruin, Regulator Wattsと言ったDCハードコアのようなギラギラと黒光りする硬質な音に向かったのかのような仕上がり。。。
Pete Swansonとのスプリットではそんな要素を感じられなかっただけに、今作の衝撃は強かったです。
2013年はBEBや、Modern LoveやDownwardsといったダークハウス~ダークインダストリアルらへんのレーベルは出す作品毎に話題をさらっていってましたが、2014年はどうなるかたのしみです。
個人的には全く派生の違うハードコア辺りが共鳴したら面白くなりそうな気がしてます。

( HP / bandcamp )





Redd Temple - 12 (Self-Released)

「無国籍チープコア」と自ら謳う福島の3ピースバンド。
無国籍チープコア?と聴いて何を思い浮かべるだろうか?チープ?コア?そもそも無国籍ってなによ。日本でしょ?
と思いつつも聴いてみるとそのコピーに納得してしまう摩訶不思議なサウンド。

聴いてみるとたしかにチープで、”何者か”分からない印象で、暗黒舞踏や原始感覚美術のような怪しいな音で、心を掻きむしられる感覚さえおきました。少々言い過ぎな気がするけど、室井さんがボーカルをとる曲はCaptain BeefheartからSLAPP HAPPYやAksak Maboulといった一筋縄ではいかないRio~ReRなアヴァンポップを思い起こしました。
と、ついつい色んなバンド名を上げてしまったけど、はじめに言っていた「無国籍チープコア」という言葉通り、それのどれでもあり、どれでもない音を形成し、彼らなりのオリジナリティをだしているのは間違いないと思っております。現在の日本にこのようなバンドがいてくれて、ただただ感謝の次第でございます。

HP / bandcamp / youtube )



asthenia - 踏み絵 (Self-Released)

astheniaはオブスキュアーな90年代ハードコアマニアに寄るDistroを運営する人たちのバンド。ハードコア~とりわけプロトエモといったニッチな所に大きく影響を受けていて、Evergreen、The Pineらのように現代までその辺りの音を脈々と受け継いできたバンドの一つだと思っています。
また、音だけではなく、個人的に好きな部分はZINEや手作りのマーチャンダイズ、Distroの運営、自主的に海外バンドとやり取り、招聘などを積極的に行っているところ。

なんでbandcamp等発達した流通が充実した今、個人Distroなのか?
個人でも業者利用が簡単になっている今、なぜ手作りのZineやマーチャンダイズなのか?
DIYが一つの価値観の様に語られるけど、彼らはDIYとはまた違ったところにあるクラフトマンシップを感じさせてくれる希有なバンドだと思っています。そういった所は言われなければ見えてこないけど、インターネットミュージックやネットレーベルが急成長しつつある今だからこそ、そういう部分を敏感に感じ取って行きたいと思わせてくれました。2014年の活動を最も期待しているバンドです。

HP / bandcamp / youtube )